デンタルクリニックオアシスのホームページをご覧の皆様、こんにちは。オアシスの歯科衛生士、春日です。
糖尿病と口腔健康の間には深い関係があり、糖尿病は口腔内のさまざまな問題を引き起こす可能性があります。この関係は双方向性があると考えられており、糖尿病が口腔健康に悪影響を及ぼす一方で、口腔の疾患が糖尿病の管理を難しくすることもあります。
糖尿病が口腔健康に及ぼす影響
歯周病: 糖尿病患者は歯周病にかかりやすく、症状も重くなりがちです。血糖値の管理が不十分な場合、歯周病は進行しやすく、歯を失う原因となり得ます。
口腔乾燥症: 糖尿病患者は唾液の減少を経験することが多く、これが口腔乾燥症を引き起こすことがあります。口腔乾燥症は虫歯や口内感染症のリスクを高めます。
カンジダ感染症: 糖尿病患者は、特に血糖値が高い場合、カンジダ菌による口腔感染症にかかりやすくなります。
口内炎: 糖尿病は癒合過程を遅らせるため、口内の潰瘍や傷が治りにくくなることがあります。
世界的に増えている糖尿病
イランのケルマーン医科大学による研究では、1990年から2019年にかけての糖尿病の発生率、死亡率、および死亡率と発生率の比率(MIR)の世界的傾向を分析しました。この研究は、糖尿病患者の数が30年間で大幅に増加している一方で、死亡リスクは減少していることを明らかにしました。
分析には、世界のさまざまな地域から得られたデータが使用され、国の発展度や地理的影響を考慮に入れています。この研究は、糖尿病が経済的負担も大きく、罹患者の平均医療費は非罹患者に比べて約2.3倍であることも指摘しています。
研究結果からは、糖尿病の発生率はすべての地域で増加しており、特に発展途上国では発生率が低いものの死亡率とMIRが高いことが示されました。また、糖尿病の死亡率は地域によって異なる傾向があり、一部地域では減少傾向にあるものの、他の地域では横ばいまたは上昇傾向にあります。
この研究は、糖尿病予防の重要性を世界的に浮き彫りにし、肥満や運動不足、不健康な食習慣などのライフスタイルの要因が糖尿病の発生率上昇の原因として考えられることを示唆しています。また、糖尿病の予防や早期治療へのアクセスを増やすための取り組みが必要であることを強調しています。