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2024.03.23
オアログ

PEEK冠って何?

PEEK 冠: 歯を守る最新テクノロジー

こんにちは、デンタルクリニックオアシスの歯科衛生士主任、並木です。今回は、最新の歯冠修復技術であり先日保険適応された「PEEK 冠」について日本補綴歯科学会から見解が出ましたのでご紹介いたします。PEEK 冠は、重度の歯の損傷に対応する非金属性の修復材料で、CAD/CAM システムを使用して製作されます。PEEK は生体安全性が高く、高強度で破折のリスクが少ない素材で、臨床的にも高い適合精度を誇ります。

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この革新的な技術は、金属アレルギーの心配がある患者様や、金属の使用が避けられる症例にも適しています。PEEK 冠は、歯の削除が少なくて済むため、歯の保存にも寄与します。また、PEEK 冠は歯周病や虫歯を防ぐ助けにもなり、歯の寿命を延ばすのに役立ちます。

保険適用の範囲については、通常のCAD/CAM冠の場合は金属アレルギー症例以外では、全ての第二大臼歯が残存し咬合が安定している場合に適用されます。一方、PEEK 冠は咬合圧に強い破壊靭性を持つため、上下顎の大臼歯に適用可能であり、第一大臼歯が事実上の最後方大臼歯となっている場合にも利用できます。

PEEK 冠は、その特性から歯冠の色調を調整することは難しいものの、その信頼性と破折リスクの低さから大臼歯に適しています。PEEK 冠はビッカース硬度が小さく、咬耗を抑えやすく、歯根への負担が歯の寿命に有利に働くとされています。また、吸水性が低く変色のリスクが少ないため、長期にわたって安定性を保ちます。

PEEK 冠の製作は、通常のCAD/CAM システムを備えた技工所で行われます。臨床研究によれば、PEEK 冠は装着後に脱離や破折がほとんどなく、咬合も維持されることが報告されています。

保険診療におけるPEEK 冠についても触れてみましょう。PEEK 冠はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)ブロックを使用し、CAD/CAM 技術で製作されるクラウンです。ただし、CAD/CAM 装置には設定変更が必要とされます。適応症については、大臼歯の単冠症例に適用され、第一大臼歯が最後方大臼歯となった場合や7番(第二大臼歯)や8番(親知らず)にも利用できます。

PEEK 冠の製作には、支台歯形成や印象・咬合採得、調整・研磨、装着の工程が含まれます。特に、支台歯形成ではクリアランスや辺縁形態に注意が必要です。PEEK 冠の装着には接着性レジンセメントが使用され、口腔内での適合を確保するためにアルミナサンドブラスト処理が行われます。

最後に、PEEK ブロックにはトレーサビリティシールが付属しており、診療録に貼付して管理することが必要です。

PEEK 冠は歯の健康を守るための画期的な選択肢であり、私たちのクリニックでも取り扱っております。ご質問や疑問があれば、どうぞお気軽にお尋ねください。歯の健康を守るために、最新の技術を活用しましょう。

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