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2023.12.16
オアログ

遊離糖摂取と口腔健康についての最新情報

こんにちは、長野市の歯科医院デンタルクリニックオアシス歯科衛生士主任の並木です。今回は、遊離糖(フリーシュガー)の摂取が口腔健康に及ぼす影響と、世界歯科連盟(FDI)から発表された最新の見解についてお伝えします。

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遊離糖の歴史

遊離糖(フリーシュガー)の消費が広まるようになった歴史について説明します。遊離糖は、食品や飲料に加えられる砂糖やはちみつ、シロップ類、果汁に含まれる糖分を指します。

1、初期の砂糖の使用:

  • 古代文明では、砂糖はほとんど知られていませんでした。代わりに蜂蜜が甘味料として使われていました。
  • 砂糖の生産は紀元前のインドで始まったとされています。ここでは、サトウキビから砂糖を抽出する方法が発見されました。

2、砂糖の広がり:

  • サトウキビと砂糖の生産技術は、アラビア人を通じて中東に広まり、その後ヨーロッパに伝わりました。
  • 15世紀から16世紀にかけて、ヨーロッパ人による新世界の発見と植民地化に伴い、カリブ海や南アメリカのプランテーションでのサトウキビ栽培が始まり、砂糖の生産が大幅に増加しました。

3、産業革命と砂糖消費の増加:

  • 産業革命期には、砂糖の生産と流通が劇的に改善されました。これにより、砂糖は広く一般の人々にも手に入るようになり、消費量が増加しました。
  • 砂糖は食品加工業においても重要な役割を果たし始め、多くの加工食品や飲料に使用されるようになりました。

4、現代における砂糖の消費:

  • 20世紀に入ると、砂糖の消費はさらに増加し、多くの食品や飲料において主要な甘味料として使われるようになりました。
  • 近年、遊離糖の過剰摂取が健康問題、特に肥満や2型糖尿病、心血管疾患などの非感染性疾患(NCDs)のリスクを高めることが広く認識されるようになり、砂糖摂取量を減らすための公衆衛生上の取り組みが強化されています。

このように、遊離糖の歴史は、その生産と消費が時間とともに増加し、現代では多くの食品や飲料に広く使用される一方で、健康への潜在的な影響に対する認識が高まっていることを示しています。

世界歯科連盟(FDI)から発表された最新の見解

FDIは最近、遊離糖の過剰摂取が虫歯や非感染性疾患(NCDs)の主要な原因であるとする新たな見解を発表しました。これは、砂糖の消費に対する国際的な認識を深める重要なステップです。

過去数年間、FDIは砂糖摂取の危険性に関して様々な取り組みを推進してきました。2015年の口腔保健アトラスや2021年のビジョン2030では、砂糖摂取を減らすための政策や行動計画が提案されています。

今回の新見解では、以下のような重要なポイントが提唱されています。

  1. 2030年までに全ての国が砂糖消費に対する政策を取ること。
  2. 健康的な食生活の一環として、砂糖の消費を削減する戦略と政策の必要性。
  3. WHOの砂糖に関する勧告に基づく財政的・立法的措置の推進。
  4. 健康に影響を与える産業界の努力の重要性。

これらの推奨事項は、私たちの日常的な口腔ケアにも大きな影響を与えます。遊離糖の摂取を減らすことは、虫歯のリスクを低減し、全体的な健康を向上させるために不可欠です。

私たち歯科医療従事者として、患者さんに対して、遊離糖の摂取を減らすためのサポートと情報提供が重要になります。栄養カウンセリングや健康的な食生活の推進は、口腔の健康だけでなく全身の健康にも貢献します。

皆さん、砂糖摂取の影響についてもっと意識を持ち、健康的な生活を送るための一歩を踏み出しましょう。次回の検診で、具体的なアドバイスやサポートをお伝えできることを楽しみにしています!

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