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2023.10.14
オアログ

虫歯予防に大切なフッ化物の濃度

皆様こんにちは、デンタルクリニックオアシスの歯科衛生士、今井です。今回は、我々の専門領域である虫歯予防に関する新たな情報についてご紹介します。

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今年の新年早々、日本口腔衛生学会、日本小児歯科学会、日本歯科保存学会、日本老年歯科医学会が連携し、「4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」を発表しました。

この推奨の背景には、フッ化物応用に関する研究の進展、市販歯磨剤におけるフッ化物濃度の変更、そして国際的な推奨の更新があります。これらを踏まえ、う蝕予防および治療に特化した4学会が、日本の現状に最も適したフッ化物配合歯磨剤の使用方法を提言しています。

今回の更新内容を詳しく解説していきましょう。

年齢 フッ素濃度と使用量 洗口その他の注意事項
歯の萌出〜2歳

1000ppm
米粒程度
1〜2mm程度

・就寝前を含めて1日2回のブラッシング
・1,000ppmFをごく少量使用する
・ブラッシング後にティッシュなどで歯磨剤を軽く拭き取ってもよい
・歯磨剤は子どもの手が届かない所に保管する
・ブラッシングについて専門家のアドバイスを受ける
3〜5歳 1000ppm
グリンピース程度
5mm前後

・就寝前を含めて1日2回のブラッシング
・ブラッシング後は歯磨剤を軽く吐き出す
・うがいをする場合は少量の水で1回のみとする
・子供が適切な量をつけられない場合は保護者が歯磨剤を出す

6歳以上 1500ppm
歯ブラシ全体
1.5〜2cm程度

・就寝前を含め1日2回のブラッシング
・ブラッシング後は歯磨剤を軽く吐き出す
・うがいをする場合は少量の水で1回のみとする
・チタン製歯科材料が使用されていても、歯があればフッ化物配合歯磨剤を使用する

まず、歯磨剤のフッ化物濃度は、一般に高ければ高いほどう蝕予防効果が高まるとされています。

しかし、フッ化物の過剰摂取は特に子供にとってリスクとなりうるため、4学会では年齢別の使用推奨を示しています。乳幼児や小児期は歯の形成期であり、う蝕予防のメリットとフッ素症のリスクのバランスを考える必要があります。それらを踏まえた上で、メリットがリスクを上回る利用方法が推奨されています。

乳幼児向け歯磨剤については、チューブ1本全量を誤って飲み込んでも安全な濃度設定がされているそうです。しかし、安全性を保つためにも使用方法や保管場所には注意が必要です。また、現状では1,450ppmフッ化物配合歯磨剤の小児向け製品(味など)が少ないですが、これからの需要増を見込み、その製品開発と販売が望まれています。

次に、歯磨剤の国際規格(ISO 11609)では、容器にフッ化物の種類と濃度を表示することが義務づけられています。しかし、現在日本市場にある多くの歯磨剤にはフッ化物濃度が記載されていない状況です。これからの新推奨を実践するためにも、製品パッケージへのフッ化物濃度の明記が強く求められました。

また、海外では5,000ppmの高濃度フッ化物配合歯磨剤の有用性が広く認知されています。特に初期活動性根面う蝕に対する効果が証明されています。先進諸国の多くは5,000ppmフッ化物配合歯磨剤を歯科医師が処方していますが、処方箋なしで購入できる国も増えているそうです。日本でも、この高濃度フッ化物配合歯磨剤の販売認可が望まれている状況です。

今回発表された情報には、これ以外にも臨床家にとって重要かつ興味深い内容が多く含まれています。参考文献にはFDIやWHOの推奨ガイドラインも掲載されており、う蝕予防に関与する歯科医療従事者にとって必読の内容となっています。

世界の最新知見に合わせ、日本でも歯磨剤のガイドラインは逐次アップデートされていくことでしょう。これからもオアシスでは4学会の動向を注視しつつ、皆様への最善のアドバイスを提供できるよう努めてまいります。それでは、健康な口元を守るための一助となる情報提供でした。次回もお楽しみに!

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