~ステファンカーブを理解して予防に活かす~
こんにちは、デンタルクリニックオアシスの衛生士主任の並木です。昨日は、むし歯の進行を遅らせる方法についてお話ししました。今日はその中でも特に、ステファンカーブというものを知ることで、むし歯予防に効果的なアプローチをご紹介します。
ステファンカーブとは、食事を摂取した後の口腔内の酸性度の変化を示すグラフです。食事(糖分)を摂ると、口腔内の細菌が糖分を分解して酸を生成し、PHが下がり酸性に傾きます。酸性度が一定のレベル(PH=5.5)を下回ると、歯のエナメル質からカルシウムが抜け、むし歯が進行する可能性が高まります。食べるのをやめると、唾液の力で酸が中和され酸性度は中性に戻ってきます。このときに歯から抜け出したカルシウムがもう一度歯に戻る「再石灰化」という現象が起こります。カルシウムが抜け出す(歯が解けている時間)とカルシウムが戻る(再石灰化している時間)のバランスでむし歯の進行速度は変わるのです。
ステファンカーブを理解し、口腔内の酸性度をコントロールすることで、むし歯の進行を遅らせることができます。
以下に、ステファンカーブを活用したむし歯予防のポイントを4つご紹介します。
食事後の歯磨き 食事後、できるだけ早く歯を磨くことで、口腔内の酸性度を下げることができます。歯磨きにより細菌の酸生成を抑制し、エナメル質の溶解を防ぐことができます。特に甘いものや炭酸飲料を摂取した後は、速やかに歯磨きを行いましょう。
低糖質・低酸性の食事 糖分や酸性食品を摂取すると、口腔内の酸性度が上昇しやすくなります。そのため、低糖質・低酸性の食事を心掛けることで、ステファンカーブのピークを抑え、むし歯の進行を遅らせることができます。
唾液の働きを活用 唾液には、口腔内の酸性度を中和する働きがあります。十分な水分摂取や、ガムを噛むことで唾液の分泌を促し、口腔内の環境を改善することができます。ただし、ガムは無糖やキシリトールの入っている物を選び、適度に噛むことが重要です。
以上の4つのポイントを実践し、むし歯の進行を遅らせましょう。また、定期的な歯科検診もむし歯予防に欠かせません。歯科医師や衛生士が、早期にむし歯を発見し、適切な治療を行うことで、さらにむし歯の進行を遅らせることが可能です。
デンタルクリニックオアシスでは、患者様の口腔内の健康を最優先に考え、予防歯科を重視しています。ステファンカーブをご説明し、患者様に合わせたむし歯予防のアドバイスを提供いたします。
お口の健康に関するご相談がありましたら、お気軽にデンタルクリニックオアシスにご連絡ください。私たち衛生士一同、患者様の口腔内の健康をサポートすることをお約束いたします。